理想の服のために、なにを見て、なにを知ればいいのか。

服は好きだけど、どうやって自分の理想の服を見つけたらいいんだろう。そして、その服のバックボーンや、ルーツ、ディテールはどうやったら知れるんだろう。

雑誌? SNS? もちろんこれらの方法でも多くを知ることはできると思う。けれど、世の中にはもっともっと情報源があるはずだ。

ここから情報を仕入れてみるのはどうだろう。

ブログ

ブログ? そう、ブログ。みんなはセレクトショップのインスタの投稿だけを見て満足していない? おしゃれな人の写真を見て満足していない?

たしかに写真からはその服の雰囲気だったり、色、形など、たくさんのことがわかる。だけどそれだけじゃ、服のバックボーンやルーツ、ディテールまでは分からない。

ブログにはもちろんそれらの情報はあるし、それだけじゃない、自分が求めているもの以上のものが見つけられる。言い方を変えると、たくさんの素材(情報)が落っこちている。

その落っことしてくれた素材のどれを拾って、どこを使うのか、何に使うのか、それは君次第。この記事も、その素材の1つとしてとらえてもらえれば嬉しい。

それでは、今回ピックアップした3つのブログから素材を探しに行こう。

着ぶくれ手帖

表参道、「L’ECHOPPE (レショップ)」のコンセプターである金子さんが書いているこのブログ。僕は服の楽しみ方をたくさん教えてくれるブログだと勝手に認識している。

例えばこの文、

「モノのルーツを考える時がたまにあります。モノには必ず意味があり必要とされて生まれてきます。そのルーツを辿るとミリタリーや作業着、民族衣装に繋がることがほとんど。
現代のファッションにおいてもディテールには必ずルーツがあり、今の気分や生活習慣に合わせて編集され形になっていることが多い。
そのような事が分かってくるとファッションは何倍も面白くなり、良し悪しも理解できるようになってきますので、ビンテージ専門店を覗いてみたり本を漁って勉強してみるのも良いかと思います。」
引用元 kaneko.blog.houyhnhnm.jp

どうやって服を楽しむかは人それぞれだし、良し悪しなんてないけど、他の人がどうやって服を楽しんでいるのか、金子さんはどうやって服を楽しんでいるのか。そこを覗いてみるのもいい。

そして服自体の情報もそうだけれども、その服が生まれることになったバックボーンや、金子さんが海外に買い付けに行った際の現地の写真、制作風景、その服を作っている人の写真など、

なぜ、どこで、どうやって、誰により、そのアイテムがお店に並ぶことになったのかがこのブログから分かる。

この写真は金子さんがロサンゼルスに買い付けに行った際の写真で、下の写真はレショップ別注のウエスタンシャツの打合せの様子だそう。

こういったことを知ったうえで、自信をもってそのブランド、服のことを好きだって言えるのって、なんだかカッコいいと僕は思う。

もちろん知らないことはだめなことじゃないし、知らなくても服は楽しめる。だけど、そういった情報が服への愛着をさらに深めるんだと思う。

着ぶくれ手帖では基本的にスタイリングの提案、スナップ写真のようなものはなくて、アイテムにスポットライトを当てた写真が多い。例えばこんな感じ。

着るときのイメージがつかないって思ってしまう? たしかにそのアイテムを使ったスタイリングの提案があればイメージがしやすい。

だけど、それによってそのアイテムに対する先入観が生まれず、最大限自由に、買い手側は想像力を掻き立てることができ、自分でそのアイテムのポテンシャルを引き出す楽しさというのが生まれる。

違う言い方をするならば、余白をつくっておいてくれている。その服を生かすも殺すも君次第。大丈夫、店員さんに聞いたら、いろいろ優しく提案してくれるはず(笑)。

着ぶくれ手帖 HP

Bechics Official Blog

中目黒の川沿いに店を構える「Bechics(べシックス)」のオフィシャルブログ。店主の角地さんが更新しているこのブログを僕が一言で表すとしたら、

「服愛」(ほかのブログに愛がないって言ってるわけじゃない!)。細かな縫製や、生地の話、デザイナーさんの話まで、ギークな情報にあふれている。

mandoについて、ブログから少しピックアップしてみよう。

出典元 www.bechics.com

毎回特徴的な素材を使ったmandoのセットアップですが、今回はウール×レーヨンの5:5混率で、ポリエステルのルックスとは明らかに違うドレス顔。フラップなしの両玉縁腰ポケットにスラントした胸ポケットは前回同様ですが、今回の大きな違いはラペル幅を0.5cm広く9.0cmへ変更し、フロントボタンを1ツボタンに。

引用元 www.bechics.com

次にCINHOについてのブログから、

 

出典元 www.bechics.com

 

フロントのジッパーを開いた時に、どこで止まって、ジッパーの角度がどう見えるか?や、開いた時にジッパーとポケットの角度がさりげなく平行になるようにしていたり、生地の膨らみ、動作に伴う生地の動き方などにも強いこだわりが感じられますが、洋服の角になる部分の尖り方(丸め方)など、よく見るとミリ単位の繊細な調整をして全体の雰囲気が作られています。

引用元 www.bechics.com

どこまでその服のことを説明されているのかは各ショップそれぞれだけど、特にべシックスのブログには丁寧にその服のことが表現されている。

これらの服の情報っていうのは、もしかしたら自分で検索してもわかるのかもしれない。実際にそういった服の情報をまとめてくれているサイトはいろいろある。

その情報と、角地さんから発信される情報、何が違うのか。僕は、それはあたたかさがあるかどうかだと思う。

本当にその服が好きで、いいと思って発信されている情報、言葉にはあたたかさがあり、説得力があり、なによりおもしろい(僕は気がついたらべシックスのブログを我を忘れて1時間も読み続けていた(笑)。)。

そんなあたたかさのある情報の中には、ブランドのこと、デザイナーさんのことについても書かれている。

「服装史やカルチャーを理解しながら伝統に縛られず、自由な発想を持ってファッションを創ると仰る茅野さんの言葉通り、CINOHの商品には様々な創造性と”不可能を可能にするような技”が巧みに入っていて、生粋のメンズデザイナーはしないような(頭で思っても性分的にできない、という方が正しいかもしれません)レディース仕立ての柔軟な服作りがとても面白いと感じます。」 

引用元 www.bechics.com

そのブランドのデザイナーさんの意図、考えというのを的確に捉え、代弁してくれていて、そこに角地さん自身の感性というのがプラスされ、表現されることにより、何倍にもその服の魅力が膨れあがっている。

どんなブランドなのか、どんな服なのか、この文をきっかけに興味を抱かざるを得ないだろう。それともう1つ、このブログの魅力であるのが、角地さんの服の表現方法だと僕は思う。

「誰も気付かないようなことをして、誰にも気付かれずに無駄と呼ばれてしまう服もあるけど、誰も気付いていないのに誰もが納得する服もある。」

引用元 www.bechics.com

「mandoの服は、とてもシンプルでベーシック。見たことがあるようなものだけど、他のものと違って見える。実際に着てみるとやっぱりどこか違って見える、そんな洋服たちです。」

引用元 www.bechics.com

服の魅力は人それぞれ感じ方は違うけれど、角地さんの感じた方は他の誰にもない感性だろう。

ただただ服のことを知れるだけじゃない、あたたかさがあり、服への愛にあふれたべシックスの店主角地さんが書くこのブログ。ぜひ読んでみてほしい。

bechics Official Blog HP

toff blog

祐天寺と学芸大学駅の間に位置する「toff(トフ)」。トフのブログは、スタッフの岡本さんと鈴木さん、そして月に一度、トフのディレクターの関さんが書いている。

入荷アイテムの紹介はもちろんのことだが、特にスタイリングの提案がトフのブログの醍醐味だと僕らは勝手に思っている。

スタイリングの提案なんてどこのセレクトショップでもやってるじゃないか、と言われてしまいそうだが、トフのブログでは目に見える部分だけではない特徴を抑えたうえでのスタイリングであり、そのスタイリングのたくさんの理由をおしえてくれる。

例えばこのスタイリング。

出典元 www.toff-shop.com

「少し肌寒い日はS Hのフライトシャツをブルゾン代わりに。このシャツ(ブルゾン?)、フライトジャケットが元ネタなだけあり、袖幅が広めです。…ということは、中にAURALEEのスウェットのような袖にボリュームがあるものを着ても変にゴワつかず、快適かつシルエットの特徴を愉しめるという嬉しい形。」

引用元 www.toff-shop.com

カッコよさだけでなく、心地よさも含めたスタイリング。

出典元 www.toff-shop.com

「一般的なスウェットに比べると袖、裾のリブを細めに設定する事でですっきりとした印象に仕上がっています。薄手ながら防寒性にも優れているので、先ほども申し上げましたがインナーとして着用した際にもごわつかず、快適な着心地がなんとも。」

引用元 www.toff-shop.com

なぜこの組み合わせなのか、それはブログを読まないとわからないよね。そして、この組み合わせだとどのような見え方になるのか。

服に理屈はいらないっていう人もいるだろうし、それは間違いではないと思うけど、理屈じゃなくて、理由があるのはさらにその人のカッコよさを引き立てる。

その理由を教えてくれるのがこのトフのブログだと思う。そして、トフのブログにあって、ほかのブログにはないのが、店内で流れている”カセット”の紹介だ。

出典元 www.toff-shop.com

イタリアはボローニャで結成し、現在はカリフォルニア州ストックトンで活動するLuca LovisettoとSamuel Reganのベッドルーム・ポップ・デユオBaseball Greg。眠れぬ夜に部屋を出て遭遇する真夜中の世界。孤独や不安、そして願望や希望。夜空を眺めながら思いを巡らせていると、やがて空は朝焼けに染まり、そしてゆっくりと夢の中の世界に辿り着く。そんな深夜から夜明けまでの情景を、ジェントルなシンセ・ポップで描いてみせる、ロマンティックなコンセプトアルバム。

引用元 www.toff-shop.com

カセットの使い方もわからないような私たち世代だが、こういったものに惹かれてしまうのはなぜだろう。

どんな音楽なんだろう、カセットから流れる音楽はまた一味違ったものなんだろうか。服だけじゃない、音楽のことも知れる。ますますお店に行きたくなるね。

そういえば、トフには最近 @toff_private というインスタのアカウントができた。このアカウントを見かけたことがある人はわかるだろうけど、鍵がかかっている。

皆とは言わないけれど、お店に行って、岡本さん、鈴木さんにそのアカウントのことをぜひ聞いてみてほしい。行かなきゃわからないこと、聞かなきゃわからないことにこそ価値があると思う。

toff blog HP

情報はもっと奥にある。

いかがだっただろうか? もっと服が好きになりたいそこの君、まず読んでみて、感じてみてほしい。

雑誌、SNSじゃわからない情報にあふれているから。そして、これをきっかけに実際にお店に足を運んで、情報だけでなく、感覚を感じに行ってほしい。

2018-11-24|
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