みんなはモノを買うとき、何を基準に選んでる? 品質、値段、歴史背景?
いろんな選び方があるけど、“パケ買い=パッケージ買い” 以上にトキめく選び方ってないんじゃないかな。
どんな価値があるか詳しくはわからないけど、とにかく見た目が好き!
そんな自分の衝動に素直で冒険的な買い物は、何度やっても楽しいもの。
だとしたら、ワインでも“パケ買い”を体験してみない? 今回は、チトセからのそんな提案・第2弾。
ワイン選びは、なんだか肩肘張ってしまって難しいと思いがちだけど。
きちんとした知識がなくたって、気軽にワインを選んで楽しめたら、きっと良いよね。
このシリーズでは編集部があらゆる街に足を運び、ショップの皆さんに、パッケージで選びたいおすすめのワインや飲みたいシチュエーションなどを根掘り葉掘り聞いてくるよ!
それじゃあさっそく、あのお店の “パケ買いワイン” を教えてもらおう!
vol.2 FABBRO@阿佐ヶ谷
訪れたのは、阿佐ヶ谷にある『FABBRO』(ファブロ)。
素材や季節感を大切にした料理と、自然派ワインを楽しめるイタリアンだ。
今回はそんなFABBROでワインをセレクトしている渡邊さんの “パケ買いワイン” を紹介するよ!
するすると身体に馴染む、優しいワイン
Fattoria AL FIORE GENCHI 2019
--さっそくですが、おすすめの “パケ買いワイン” を教えてください!
渡邊さん(以下敬称略)「《Fattoria AL FIORE GENCHI 2019》(ファットリア アル フィオーレ ゲンキ)をおすすめします。ラベルに描かれた、優しい色合いの猫のイラストが印象的な1本。
ワイン自体の少し濁ったナチュラルな色と良く合っていますよね。ぱっと見た瞬間に受ける印象通りの、柔らかい飲み口や優しい味わいを楽しめるワインです」
--ワイン自体の色も含めて、温かい雰囲気がありますね。
渡邊「ファットリア アル フィオーレでは、ここで大切に飼われている猫の名前をそれぞれのワインの名前につけているんです。
このワインのエチケットに採用されている猫が《GENCHI》(ゲンキ)。体が弱かったことから、“元気” な子に育ってね、という想いを込めてつけられたそうで。
そんなエピソードを聞いてからまたエチケットを見ると、より一層、愛らしく思えます」
--そんな素敵な裏話が! このワインは日本のものなんですか?
渡邊「はい、宮城県柴田郡にあるワイン醸造所のものです。ファブロではもともとイタリアワインばかりを扱っていたので、日本のワインも扱いたいということをずっと考えていて。
ラベルの可愛さももちろんそうなんですけど、日本のワインは生産者が近いので、実際に会ってお話を聞きに行きやすいのも魅力だと思います」
--たしかに、直接購入できるのは嬉しいですね。このワインを “パケ買い” したきっかけはありますか?
渡邊「うちのシェフがこのエチケットを気に入ってくれたんです。シェフはもともと料理一筋なので、ワインにすごく詳しかったり、熱をもっていたりっていうタイプではないものの、これを見たときに『これ、すごくエチケットが良いね〜!』と。
猫が好きなんですよね(笑)」
--ぱっと見たときに感じるトキめき、大事ですよね…! ところで、なにと合わせて飲むと良いでしょう。ワインとおつまみを合わせるときのポイントはありますか。
渡邊「まず、“色が似ている” というのがすごく大事で。ワインの色味とその食材の色味が似ていると、結構相性が良いことが多いんです」
--へええ〜!
渡邊「面白いですよね! あと、私がワインとの合わせを考えるときに気にしているのが、“香りと印象が同じようなものを選ぶ” ということです。
例えば今回の《GENCHI》だったら、マスカットみたいな華やかな香りがするので、マスカットを使った料理と合わせるなんていうやり方も良いんじゃないかな」
--すごく勉強になってます、いま。
渡邊「あはは(笑)。あとはそうですね、“味わいを寄せていく” っていうのも手です。
このワインは口に含むとフルーツトマトみたいな凝縮した旨味と甘酸っぱさが広がるので、トマト系の料理や、こんなマリネもおすすめです」
宮城県産 炙り〆鯖とポロ葱のマリネ セロリの若芽
--うわあ、美味しそう。ちなみに、“寄せていく” とは?
渡邊「酸味のあるワインには酸味を、甘酸っぱさのあるワインには甘酸っぱさを、苦味のあるワインには苦味を…っていう。
ワインのなかにある要素を拾って、その要素を持っている食材を合わせるやり方はよくしますね」
--なるほど! なんだかコーディネートの差し色を決めるときみたいで楽しいです…! このワイン、どんなタイミングで飲みたいですか?
渡邊「友だちと気軽に楽しく飲んでほしいワインです。アルコール度数もかなり低めなので、『あ〜、ワインを飲んでるな』っていう気構えもそんなになく。
ジュースのような感覚で飲めて、じんわりと身体に馴染んでいくというか。飲み疲れもなくスイスイ、気がついたら1本空いてた! というようなワインです。
難しいことを考えるんじゃなくて、気の合う人と楽しく飲んでもらえそうだなっていうことを想像しました」
--口当たりが本当に優しい…! 安心して、楽しく飲めそうです。このワイナリーが掲げる『気の合う仲間と一緒に過ごす、温かい空間に寄り添えるワインをつくりたい』という想いに繋がる部分もありそうですね。
渡邊「うんうん。ワインって、実は二次的なものだと思っていて。楽しい空間や時間をつくるために、ワインや料理がある。
みんなが楽しめる空間に、美味しいものがあってほしいんです。FABBROでもそういうことを考えながら、ワインの案内をしたりお話をしたりしています」
--『二次的』、ですか。難しく捉えすぎて緊張してしまって、むしろワインの方が中心になっていることが多いかもしれません。自分たちが楽しむための空間に、どんなワインがあってほしいのか。そんな考え方ってすごく等身大で、すっと染み込んでくる感じがしますね。
これなら、わたしにも選べそう。
目で見て嬉しいお酒は、わたしたちの毎日を彩ってくれる。
今日、どんなふうに過ごしたいか。仲間と過ごす時間に思いを馳せながら、ワインを選べたら。
出会った瞬間のトキめきも、そのワインが演出してくれた楽しい時間も、きっと最高のものになるはず。
“パケ買いワイン”、してみない?
今回訪れた場所について
■FABBRO(ファブロ)
阿佐ヶ谷駅北口から徒歩1分。『お客さんが安心して過ごせる空間を大事にすることに、一番重きを置いています』。そう話す渡邊さんをはじめ、FABBROの皆さんがつくるものは、何もかもが絶妙。人も食事も空間も、近すぎず遠すぎず…そんな距離感が嬉しく、肌に馴染んで心がじんわり解される。渡邊さんとシェフが好きな曲から選んで流しているという、店内BGMも要チェック。 Instagram:@fabbro_asagaya ※営業時間や定休日などは上記Instagramのご参照をお願いします。 |
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記事の創り手について
■トミオカ ハヅキ – 取材・執筆
美味しいものを分け合えば、人類みな友だち! こんにちは、ロックとビールが生きがいの富岡です。持ち前のオタク気質を発揮して、世界に溢れる “グッときた!” を集めるべく奔走する毎日。皆さんに、この “グッ!” が届くといいな。 Instagram:@2549.tom |
■シミズ シュン – 撮影・編集
チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らが楽しく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切にして、日々を生きています。 Instagram:@shun_booooy |
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