おうちで過ごす時間が増えてきた今日この頃。時間が増えたからこそ、より家での過ごしやすさや、快適さを考えるようになったよね。
お気に入りの家具や照明を見つけて部屋に置いてみると、自然と気分は上がってくる。
それでは、おしゃれなあの人はおうちにどんなモノを置いているんだろうか。どんなことを意識して、空間作りをしているんだろう。
そこで今回は僕らが普段なかなか知ることができない、空間づくりの秘訣を聞いてきた。
おうち時間を彩る、あの人の空間づくり。以下の質問に答えてもらいながら紹介していきます。
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自粛期間を経て、おうち時間を見直した人は多いはず。この年末年始のタイミングで、部屋の衣替えも考えてみたい。
1. ゆーみん / 26
古着屋『from_antique』を運営するゆーみんさん。古着の世界観と合わせた、ビンテージ調のお家を見ていこう。
Instagram:@yu_miiiiin |
1. 空間作りにおいてこだわっているポイントはどこ?
「ビンテージ+ナチュラルな自然素材を基調にしたインテリアです。“木” や “森” を意識したウッドの家具を中心に、観葉植物も取り入れています。
ものをあまり置かずにシンプルにしているからこそ、観葉植物の成長や色合いの変化を楽しむことができます」
部屋のどこを切り取っても心地よい自然光と、木のぬくもり。緑のバランスが良く、統一感がある。いるだけでとても幸せになれる空間だ。
1つ1つのアイテムを厳選しているからこそ、それぞれが独り立ちしていて、ものが少なくても十分な存在感を放つ。
空間においての家具の距離感や光の当たり方が、絶妙なバランス感覚だね。
2. お気に入りの家具の、こだわったポイントは?
「1つ目がUKアンティークブランド<Haxyes>のフォールディングチェアです。1920年に作られたビンテージのチェアで、木とキャンバスの色合いが相性が良く、存在感があります。
アンティーク家具は長い間使うなかで、風合いが変わったり、自分が使っていくうちに部屋の空気感に馴染んでいくのが大きな魅力ですね」
「普段レコードをかけながら料理をすることも多いので、ターンテーブルやスピーカーもお気に入りで。
特に<Bowers&Wilkins>(バウワース アンド ウィルキンス)のCM1は、2006年発売のスピーカーで、コンパクトながら解像度や音の広がりが素晴らしいです。
経年変化も楽しめるスピーカーだと思います」
実際にレコードをかけてもらうと、かなり低音がしっかりしており、しっかりと詰まった音が臨場感を掻き立てる。
レコードの高音のシャリシャリ感も心地よく、いろんなレコードを集めてどんどんと聴きたくなってしまうような、そんな物欲を掻き立てるスピーカーだった。
「モロッコのベニワレンのラグはビンテージ家具との相性も抜群です。
好きな家具デザイナーにアルヴァ・アールトという人がいるんですけど、彼も愛用していたと言われるラグで、デンマークの博物館でも展示されていました。
そこで出会って、実際に自分の家にも置いてみたいと思ったんですよね」
「普通はウール100%の生地なのですが、これはキャメルも入っているので柔らかく、肌触りも気持ちいいです」
3. その家具はどうやって使ってる?
「Haxyesのフォールディングチェアは、本を読むときやくつろぐときにはもちろんですが、自宅でゲームをするときにも使っています(笑)」
実際に座ってみると、心地よい木のしなりと、キャンバスの肌触りがたまらない。
ビンテージならではの、長い間現存してきた木の強さを感じられる、そんな素晴らしい椅子だった。
「ターンテーブルやスピーカーは、料理を作りながら、レコードでジャズを流すことが多いです」
4. 購入した場所は?
Haxyesのフォールディングチェアは、目黒の『Sonechika』(ソネチカ)で購入しました。
■Sonechika
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目黒通りに位置する『Sonechika』など、実店舗の運営を中心に、家具の買い取りや中古家具販売を行っている。 HP:colt-co.net Instagram:@coltandsonechika 電話番号:03-6423-2595 ※営業時間や定休日などは上記公式サイトやInstagramの参照をお願いします。 |
5. 次に購入を検討している家具を教えて!
「引っ越ししたばかりなので、これからはベランダの開拓をしようと思っています。30畳ほどのスペースがあるので、チャーチチェアの購入を考えていて。
ベランダは風通しがいいので、あえてアウトドア向きのタフな素材ではなく、あくまで “木” の風合いにこだわったものが今はほしいですね」
6. 自粛期間で自宅のどんなところが好きになった?
「ずっと家にいる時間が増えたので、気分や時間帯によってフレグランスを変えて楽しんでいます。
普段は<Aēsop>(イソップ)の白樺やヒノキの香りを愛用していますが、食後にはラベンダーにするなど、生活リズムに合わせて香りを変えるとオンオフの切り替えができます。
また、<無印良品>の白檀のお香も使用していますね」
白檀のお香はおしゃれな空間との距離感を縮めて、居心地をさらに良く、その場を調和してくれるようなアイテムだ。
そんなゆーみんさんの運営する古着屋『from_antique』はこちら。
■from_antique
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1900sのユーロヴィンテージを中心に扱うオンラインショップ。自ら買いつけた古着やビンテージを、InstagramやYoutubeを通して販売。Youtubeチャンネルでは知っておくべきビンテージの年代判別や豆知識、買いつけの様子などを公開している。 Instagram:@from_antique Youtube:ゆーみん&きうてぃ ※営業時間や定休日などは上記公式Instagramのご参照をお願いします。 |
2. 占野 / 27
2021年の頭に珈琲屋をオープン予定の占野さん。なんと焙煎機がお部屋にあるんだとか。こだわりの空間を覗かせてもらおう。
Instagram:@shimeno__ |
1. 空間作りにおいてこだわっているポイントはどこ?
「自分のお店に置きたい雑貨を集めた、珈琲を飲みたくなり、珈琲を片手にくつろげる空間です。特にこだわっているのは、珈琲を淹れるためだけの空間にしたところです。
ここには自分の好きな作家さんの器や、古道具などがところ狭しと並んでいます。」
珈琲だけの空間は、懐かしい映画のような風景だった。小道具が所狭しと並ぶ、心地よいカオスだ。ジオラマなどを見てワクワクする、あんな気持ちだ。
2. お気に入りの家具の、こだわったポイントは?
「まず、珈琲を淹れるのに使っている薬缶(やかん)です。初めは、珈琲を淹れるための薬缶を探していたところ、たまたま<Analogue Life>というウェブサイトで見かけたのが出会いでした。
薬缶をきっかけに作者である金属工芸家の中村友美さんが大好きになり、後日炉を大阪の個展まで足を運んで購入しました。
銅の薬缶で一枚板から成形したため色合いやフォルムがとても良く、使い込むほどに表面の反射が滑らかになり鈍い光沢が出てくるので、存在感があります」
炉は、2021年6月に完成するそうだ。薬缶は見れば見るほど吸い込まれていくような、大人びた落ち着きのある光を反射している。
「普通の薬缶とは違い、お湯が湧いたときの音が心地よく、細かい泡がサーっと出ます。銅には殺菌効果もあるんです。銅の薬缶で淹れる珈琲は滑らかで、とってもおいしいですよ」
「珈琲を淹れたあと、座ってくつろぐソファーもお気に入りです。インテリアメーカー<広松木工>のソファーなんですけど、シンプルかつ天然木とアイアンの家具を取り揃えていて、大好きなブランドで。
座面が広いソファーで、サイズはシングルベットほど。深く座ることができるのがポイントですね」
ふと気になった、部屋の奥にあった棚について聞いてみた。
「あの棚は、昔実際に使われていた薬箱です。これまでに巡ってきた珈琲屋さんの名刺を入れていて、
お店を出すので、その時に周辺の珈琲屋の名刺も入れておいておこうと思っています」
3. その家具はどうやって使ってる?
「毎朝6時半に必ず珈琲を淹れて、新聞を読みながら飲むことがルーティーンですが、薬缶は珈琲を淹れる際にお湯を沸かすのに使っています。
注ぎ口の切れ味が良く、時間をかけて淹れるハンドドリップに相性が良くて。カップに入れるときの風合いを楽しみながら、飲んでいますね」
「いつもは淹れた珈琲を先ほど紹介したソファでゆっくり楽しみます。ソファはベットとしても使えてしまうぐらい広く、友達が泊まりに来たときには寝てもらう場所になっています」
4. 購入した場所は?
「薬缶はたまたまウェブサイト<Analogue Life>で出会い購入し、その魅力に引き込まれ、大阪府吹田市にあるギャラリー『ippo-plus』(イッポ プリュス)で行われた中村友美さんの個展に出向き、直接お話を聞き、炉も購入しました。
製作者の想いや、作品作りのストーリーを実際に聞いて見ると、ものへの愛着がより強くなります。自宅にある家具全般は、福岡県福岡市にある広松木工で購入しました。
直接お店で自分の目で見て、触ってから買うようにしています」
■Analogue Life
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愛知県名古屋市瑞穂区の美しい昭和の家の2階にある。現代的なスタイルと昭和の建築要素を融合させており、建物の1階には、毎月10日から20日まで着物や陶芸や版画などを展示するギャラリーを併設。 電話番号:052-933-7262 ※営業時間や定休日などは上記公式サイトの参照をお願いします。 |
■ippo-plus(イッポ プリュス)
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パン工房 穂 [ippo]は、工房+教室のippoに加え、サロン plus (プリュス )を運営。豊かな自然が感じられる場所で、個展等が開かれる。 電話番号:090-9545-4317 ※営業時間や定休日などは上記公式サイトの参照をお願いします。 |
■広松木工
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暮らしにとけこむ、シンプルかつ機能的な「家族の家具」をつくり、「家族の風景」を生み出すブランド。 電話番号:0944-87-5911 ※営業時間や定休日などは上記公式サイトの参照をお願いします。 |
5. 次に購入を検討している家具を教えて!
「お店を出すために、新しいチェアを購入しようと思っています。フランスのデザイナー・ピエールガーリッシュのチューリップチェアを購入したいですね」
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「アルミの風合いが特徴のこの椅子は、表面の凹凸や経年変化によるくすみで、反射する光の風合いが1つ1つ異なるのが特徴的なんです」
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「それともう1つほしいチェアは、スイスの建築家ピエールジャンヌレの、イージーアームチェアです。
チーク材を用いたもともとオフィスチェアとしてデザインされた一脚で、籐(ラタン)とVレッグが他のチェアにはないフォルムになっているんです」
6. 自粛期間で自宅のどんなところが好きになった?
「おうち時間が長くなってきて気づいたんですが、時間帯によって太陽の陽の入り方が異なるので、照明のつけ方を変えて楽しんでいます。
珈琲を淹れるとき、夕方に作業するとき、夜寝る前、それぞれでつける照明を変えています」
そんな実店舗オープンを準備している占野さんが運営している珈琲豆ECサイト『珈琲占野』はこちら。
■珈琲占野
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来春に実店舗珈琲屋をオープン予定で先行してオンラインでコーヒー豆を販売。自家焙煎のこだわりの豆を取り揃える。 Instagram:@shimeno__ ※営業時間や定休日などは上記公式Instagramのご参照をお願いします。 |
自分と向き合う大切なおうち時間を
普段は部屋って他人に見せないもの。だけど、自分が落ち着く空間・ワクワクする空間にすると自然と気分が高揚してきて、毎日がよりカラフルに彩られる。
おうち時間の楽しみ方について考えるこの期間に、自分の部屋を見直して、おしゃれなあの人を参考に好きなインテリアを取り入れてみよう。
今週末は、さっそく家具を選びに行こうかな。
※撮影時のみマスクを外しています。また、アルコール消毒、三密の回避、検温等、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで取材を実施しています。
僕らの友達について
■ゆーみん
Instagram:@yu_miiiiin |
■占野
Instagram:@shimeno__ |
記事の創り手について
■オカノウエ シュンペイ – 取材・執筆
音楽(ハウスミュージックやHIPHOP、インスト)やインテリア(DIY)などを中心に紹介しています。 Instagram:@peeeoka |
■コバヤシ ヒロト – 撮影
ファッションや音楽、カルチャーはもちろん好きですが、1番好きなのは “人が作ったモノ”。モノに込められた想いやストーリーを、写真を通してみなさんに届けていきたいです。 Instagram:@kobayashiotona |
■シミズ シュン – 編集
チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らがたのしく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切にして、日々を生きています。 Instagram:@shun_booooy |
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