僕らが過ごす時間のなかで、音楽は暮らしを豊かにしてくれる欠かせない要素の1つだ。
楽しいとき、悲しいとき、コーヒーを飲むとき、運動をするとき。色々な気持ちやシーンに音楽は寄り添う。
その1つひとつにぴったりと合った曲を聴くことができたら、その時間はもっと有意義で、豊かなものになるんじゃないかな。
けれど、星の数ほどある音楽のなかからぴったりの曲を見つけるなんて至難の業なんじゃないか…?
そんな僕らに、シーンに合った音楽を教えてくれるのがハローさんだ。
インスタグラムで数々の音楽を紹介している彼は、そのセンスと音楽への愛情で魅力に溢れた素敵な選曲をしてくれる。
さあ、今回はどんな曲に出会えるんだろう。さっそくハローさんに教えてもらおう!
最下部に今回のプレイリストを載せています。 ぜひ最後まで楽しんでくださいね! |
20年10月「知っておきたい、台湾最新ミュージック」
きたよ、うれしい台湾特集!
街を歩けば、人と話せば、お店に入れば、日本のさまざまなカルチャーと共鳴しあってることを感じ取れるような。大好きな国の1つ!
もちろん、音楽もしかり。日本のシティポップは台湾へ渡り、その影響はとても大きい。
ということは、僕らもぴったりはまる曲がたっぷり!
ぜひ、特集3記事と合わせてお聴きください!
チトセのようなカルチャーを愛する若者を台湾の言葉で表すと「文芸青年」、いわゆる “文青” になった気分になれるプレイリスト、いきます!
1. 葫洲女孩 – 問題總部 It’s Your Fault
なめらかなギターから始まるイントロに、これは…と期待が膨らんでいきませんか?
紅一点のハナさんの、ちょっと擦れるような憂いのある声が入ってきてもう決まり。
ゴリゴリにさまざまなブラックミュージックを通ってきた、台北の7人組バンド。
全パートの音が雪崩のようにやってくるラストも聴きどころ!
2. The Crane – LIMO
ツボというツボを押さえてきて、気分な方が本当に多いはず。
豊かさと優雅さがあってとっても上品でいながら、パキッとしたトラックとのコントラストが絶妙!
ぜひ、MVもご覧くださいね。サスペンダーのスタイルがカッコいいんです。
初めての作品のリリースも最近で、今、知っておきたいアーティストの1人。
『SIRUP』がお好きな方に、特におすすめしたい…!
3. Get Low – 唐貓 SUGARCAT
メンバーが兵役を勤めあげたり、医師を目指していたり。
それぞれに別の方向で努力されて、さまざまな理由によって活動を休止されていたのですが、音楽で一旗あげるために再結成。
実力は間違いなく。つい先日も台湾の権威ある賞にノミネートされ、進んだ道はレッドカーペットに続いていました。
ラテンのリズムが心地よい、4人組バンドの『SUGARCAT』!
ストーリーも含めて応援しています!
4. 遠方 – Four Pens
もちろん、柔らかでオーガニックなサウンドも台湾では根づいています!
アコースティックの表現の幅に魅せられた3人組は、来日ライブで『クラムボン』の<シカゴ>をカバーするほど、日本の音楽をリスペクトされています。
外で聴きたくなる、開放的な音ですよね。
それに鍵盤類を担当するサニーさんはワーキングホリデーで日本にも来られていて、好きだけでは得られない経験を、活動においてたっぷりと発揮されています。
音楽を通じて僕も仲良くさせていただいているのですが、なんとメッセージは全部日本語!
僕も勉強しないと…。
5. 溫度 – Julia Wu, ?te
完全に世界基準の次世代ディーヴァの1人!
バークリー音楽大学を卒業して、オーストラリアのオーディション番組で羽ばたく経歴を持ったR&Bシンガー!
『RIRI』や『向井太一』と共演もされているので、ご存知の方もいらっしゃると思います!
シンガーとしての実力が試される、90年代のR&Bのようなサウンドはどこの国にも愛されていて、すごく納得。
共演の『?te』(ホワイト)のことは、またどこかの機会で…。
6. 有你的快樂 – Joanna Wang
言うなれば、台湾のノラジョーンズ。スモーキーな声って、なんでこんなに魅力的なんだろう。
19歳とは思えぬ魅力が詰まった、語り継がれるデビュー作の1曲です。
今まではほとんどなかったジャズシンガーという立ち位置で、メジャーの道を切り開く台湾のパイオニア的存在。
チトセ世代だけど、もうデビューして10年以上のキャリア。
“アコースティックのバンドサウンドでゆったりと” だけではなく、作品年代によってガラッと色が変わるので、好きな作品をぜひ見つけてみて!
7. Mountain Dude – LINION, 雷撃
特集の1記事目でピザを食べてる、彼!
『LINION』はベーシストとして国内で評価を高めて、今や世界が目をつけたワンダーボーイ。
ブラックミュージックが台湾のフィルターを通過すると、じりじりと熱いのにマイナスイオン出まくり、特有のサウンドが生まれます。
ふわりとしたシンセの音が最高。
台湾はアーティスト同士の距離が近いので、LINIONが好きな方は『雷撃』も好きという、どんどん数珠つなぎの形でグッドトラックを掘れるのがすごく良いところ。
8. 假期 feat. 菅原慎一、凌元耕 – Yi-Le Lin
もし人生最後の日が “假期”(バカンス)だったら、何をして過ごす? そんな大きなテーマの1曲。
『Yi-Le Lin』は、ここ数年日本で最も名前を聞く台湾アーティストの1人だと思います!
彼女の生み出すメロディは、すっと染み渡っていくような、素直に良いと体が感じる音。
それもそのはず、日本の70年代〜の古き良きポップスの大ファンで、影響は計り知れないみたい!
去年かな、みなさんもご存知『月見ル君想フ』という、ライブハウス。
青山と台北で運営される、日本と台湾の架け橋とも言える場所でも歌っていました!
日本の仲間もたくさんで、ゲストボーカルには〈シャムキャッツ〉から菅原慎一さん!
9. 這樣的你 – PiA, Outlander
台湾のインディーフォーク、ポップといえば『PiA』さん!
アコースティックの良さを残しつつ、最近はラップが加わったり時代に合わせてさすがのアップデート。
思っている以上に、日本との結びつきが強い!
PiAは全編日本語でのアルバムを作ったり、Eテレで主題歌に起用されていたり!
探せば探すだけ、日本には台湾カルチャーのしっぽが見え隠れしてるみたい。
あ、LINIONが客演の曲も見つけた! みんな仲良いんだな〜。
10. SWAG午覺 – Outlander, 9m88
もしかしたら、『9m88』(ジョウエムバーバー)は世界に向けて “今” 最も人気と勢いのある台湾アーティストかも!
彼女は挫折が音楽の始まりで、ファッションデザイナーの道を目指しNYへインターンに行くんですけど、台湾での服の需要や自分の技術に納得できず、大きく道を変更するわけです。
それが、好きだった “歌” 。日本ではサマソニに出演! 母国での人気も相当です!
最近ではなんと! あのブランド〈LOEWE〉とのタイアップを果たし、彼女は音楽を突き詰めていった結果、一度諦めた洋服達と仕事をするという、力をもらえるストーリーがあったりするのです。
11. Honey Quarantine – Science Noodles, Soft Pine
ぐわんぐわんに酔いどれなサウンド。インディーの醍醐味が味わえまくる、そんな1曲。
音程があってないような、もう少しで曲が壊れちゃうギリギリの塩梅が最高すぎる。
ちなみに、『Science Noodles』は本当にこれからのアーティストで、『TENDRE』の香港公演でのオープニングアクトを飾ったくらいしか日本での情報はありません。
しかも、メンバーは台湾と香港の混合編成で、この曲はタイのバンドとのコラボ。はちゃめちゃなんだけど、台湾プレイリストに入れちゃった、許してくれ…。
12. 永和 – Shallow Levée
各メディア、キュレーター、ライターのみなさんが今、こぞっておすすめするバンド!
もれなく自分も推します。
それだけ素敵な音を楽しめるバンドで、誰が欠けても成り立たない、各パートの大切さをしっかりと感じられます!
“今、バンド聴いてる!” 感。
高雄を拠点に、ライブのために台北に行き来するなかで、これからの人生の不安を曲にしています。
言葉はすぐに理解できなくても、曲の始まりのギターがなにかを物語っている気がするんだな…。
13. Thank You 感謝 – ABAO
初めて聴いたときは、欧米の作品かと思うくらい濃厚なゴスペルで、その規格外な歌声に驚いた1曲です。
台湾には16もの先住民族が現在も営みを続けていて、7万人ほどいるパイワン族のスターがシンガー『ABAO』。
台湾の音楽賞を取りまくり、なんと! 世界最大の音楽フェスの1つ、グラストンベリーにも招待されている、アジアを代表する女性。
パイワン語でのパフォーマンスも話題になりました。
14. My Jinji – Sunset Rollercoaster
去年だったかな、記憶にざっくり刻まれたライブを見たんです。
この楽曲、聴きどころがボーカルが抜けてからの3分を越えたあたりから、最後までの大きな大きな山なんです。
ずーっと同じフレーズを繰り返していくんですけど、決して派手じゃない、じわじわ盛り上がりを見せて会場にいる全員で登頂を目指す。
その高揚感に頭が溶けそうになったな…。
曲が終わった後の、「ヤバいもの見ちゃった…。」っていう空気が忘れられない。
どうしたって外すことのできない、『落日飛車/Sunset Rollercoaster』。
最新の台湾ミュージック、いかがでしたか?
“文青” (ウェンチン)。
冒頭にも出てきましたが、日本で言うシティーボーイに似た言葉で、音楽を含めさまざまなカルチャーにアンテナを張っている人を指すみたい。
このプレイリストで少し “文青” に近づけたはず!
台湾の音楽を聴いていると、早く行きたくなりますよね!
台湾はおしゃれだなとか、素敵だなという感性が日本ととても近い気がしていて、どこに行っても思い出のお店になって、それに加えてローカル屋台なんかもたっぷり楽しめるんだから大好きなんです。
最高だな台湾…。特集記事も、もう一度読み直してみよう!
プレイリストが僕らの暮らしを彩っていく。
apple musicのプレイリストはこちら!
ハローさんのプレイリストを100%楽しむポイント、それは “シャッフルせずに最初から聴く” こと。
曲の終わり方も含めた “繋ぎ” を大事にして、全体の流れを考えて作ってくれている。
音楽の楽しみ方に、“文脈” があることを感じながら、ぜひ1曲目から味わって聴いてみてほしいな。
来月はどんな曲に出会えるんだろう。新たな音楽に触れることができるその日を楽しみに、今日も1曲1曲を味わおう。
僕らの友達について
■ハロー
プレイリストと記事を担当させていただきました。選んだ曲にコメントをつけるという作業はチトセが初めて。イメージを次々と膨らませつつ、逃さないようにと、とても楽しいひとときでした。またお目にかかれますよう、精進していきたいと存じます! それではまた〜! Instagram:@hello_musiikki |
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記事の創り手について
■サカモト タクミ – 取材・執筆
服や音楽、キャンプにバイク、興味のあるものは数知れず。”好き” と ”知りたい” の幅だけ人生は楽しくなる、そう考えています。読者の方にもそう感じていただけるよう、自分が好きと思うものはとことん、まだ知らないものははじっくりと、人生が豊かになるような記事を自分の言葉と感性でお伝えしていきます。 Instagram:@sktt99 |
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