【なつみが今、行きたい本屋 vol.2】探究心をくすぐるアカデミックな本屋『Totodo』

おうちで過ごす時間が増えて、本に対する関心が高まっている近頃。

本のみならずライフスタイルの多様化を背景に、最近は街の本屋が注目されている様子。

こうした本屋は選書のセンスはもちろん、開催されるイベントの内容や商品の見せ方など、お店独自の企画力が支持されている。訪れるだけでも、とっても楽しいんだ。

そこで僕らは考えた。ならば今注目されている本屋を訪れ、その店ならではの魅力や楽しみ方を聞き、みんなが自分の好きな、ファンになれるお店を共に見つけようじゃないかと。

このシリーズでは普段は広報の仕事をしているなつみが、みんなの代わりにお店の魅力を聞いてくるよ。

風間夏実(カザマ ナツミ)

株式会社エードットの広報。新卒で入った大手銀行営業職を3年経験したあと、企業広報へと転職。過去に大学のミスコンテストに出場し、現在も個人でモデルやライターの仕事も行っている。インスタグラムでは #なつたび #なつモグ 等のハッシュタグで、国内旅行や飲食店にまつわる情報を発信。フォロワー数は2020年12月時点で1万人を超える。

これから訪れる『Totodo』ってどんなところ?

『Totodo:東塔堂』(トウトウドウ)は渋谷の桜丘の坂道を少し登って、そこからまた少し歩くと見えてくる。

近辺は渋谷といっても人通りはまばら。桜丘エリアは、なんだかゆったりとした時間が流れている気がするな。

そんな場所にある、丸く切り取ったような不思議なデザインの外壁が目に留まるアパート。1階に店を構えているのがTotodoだ。

美術、写真、デザイン、建築関連の古書を扱う古本屋で、元々は虎ノ門で2006年に開業。2009年にこの店舗をオープンした。

また、絵本も扱っていて、子どもから大人まで楽しめる古本屋『dessin』(デッサン)という姉妹店を中目黒に構えている。

一歩足を踏み入れると広がる、本との空間

店前の小さなかわいい看板を横目に、さっそく店内へ入ってみよう。

ぎっしりと本が並んだ本棚。クラシックのゆったりとした音色が店内に響く。

店舗に入ってすぐの場所には大きな平台があり、入荷した本が並べられている。

壁面にはギャラリースペースもあり、本を楽しむだけじゃなく、作品を一緒に見ることも。このときは『林青那』(ハヤシ アオナ)さんの作品が展示されていたよ。

柔らかな光が注ぐ店内で、古本を眺める。そんな時間が楽しい。

Totodoの魅力とは?

部屋一面に並べられた本棚には著名な作家や建築家の古本が並ぶ一方で、名前を初めて聞くような作家の本まである。そんな、Totodoの魅力とはなんだろう?

店主の大和田さんに話を聞いてみよう。

店主:大和田さん

姉妹店dessinとTotodoのディレクションを行う。大学時代は写真学科で写真を学んでいたが、本の世界に魅了され、神田に古くからある美術の古本屋に務めていた。そのあとTotodoの前身となるオンラインショップを開設する。2009年にTotodo をオープンし、その3年後にdessinをオープン。

なつみ「Totodoのお店の特徴はどんなところにありますか?」

大和田さん(以下敬称略)「Totodoは図書館のようなアカデミックな本屋をイメージしています。クラシックなものや古典的なもの、写真や美術、建築の歴史のなかで、重要とされているもの。こういったものを重点的にセレクトしています」

なつみ「なぜ、そのようなセレクトにしようと思ったのでしょう?」

大和田「私自身、過去の人々がどんなことをしていたか、歴史や過去を参照し深掘りしていくことが好きで。だからこそ、店を開く際にも古典を扱いたいという思いがありました。

それこそ大学時代は閉架の図書館に入れさせてもらい、そこで本を読んだりしていて」

なつみ「閉架の図書館にまで…! 本当にお好きだったんですね。セレクトする際、特に大事にしているポイントはありますか?」

大和田「“印象” です。簡単にいうと、人と会ってもそれぞれ印象があるのと同じで、本にもそれぞれの印象があります。見た印象で、良いなと純粋に思えるモノを置いています。

あとは、定番モノがいつも置いてあるお店が良いなと考えていて、バウハウスやロシア・アヴァンギャルドなど、20世紀の前衛芸術は必ず置いてあります。

10年近くお店をやっていますが、基本的には置いているものに大きな変化はありません。

今後もここで長く続けていきたいと思っているので、あそこに行けばあの本があるよなと、そう思ってもらえる本屋になれればと思っています

なつみ「変わらない安心感というか、また立ち寄りたくなる魅力にもつながっているんですね。お店の空間自体も落ち着く雰囲気ですが、内装のデザインにもこだわりはあるんですか?」

大和田「店舗の内装は、<STANDARD TRADE>(スタンダード トレード)という家具屋さんに声をかけ、内装をすべてお願いしています。

特に本棚は、本のサイズが納まるように幅を調節したり、見やすくする工夫をしたりして、すべて別注で作ってもらっています。

また、その人の感性で好きなものを選んで買ってほしいという想いと、自分自身も自由に見るのが好きということもあって、店員との距離感を心地よく保てて、狭すぎない内装にしたつもりです」

Totodoで出会ったお気に入りの本たち

お店の魅力をたっぷりと知ったところで、店内をじっくりと。なつみが気になった本たちを紹介してもらおう。

other mementos – 幸本紗奈

出版社/Baci

なつみ「日本の写真家さんだ! と思って目に留まりました。表紙のエンボス加工の文字や、きれいな色の装丁デザインが気に入って。写真の色味が全体的に青っぽく、雰囲気のある写真が素敵です」

大和田「幸本さんは数ヶ月前にここTotodoで展示していた写真家さんです。写真自体は国内外で撮影したもので、絶妙な色味で、渋いというか、滋味深い感じですね」

Andata – Ritorno  – Nathalie Du Pasquier(ナタリー・ドゥ・パスキエ)

出版社/Chose Commune

なつみ「イラストの色使いや柔らかいタッチが気になりました。日常的なもの、スニーカーや歯ブラシなど、そういったものを平面で描いているところが好きだなと。

私の好きなPhilippe Weisbecker(フィリップ・ワイズベッカー)の絵の雰囲気に似ているなと思い、手に取りました」

大和田「たしかに少し雰囲気が似てますよね。彼女はメンフィスというイタリアのデザイン集団の1人で、キャリアのある女性の作家なんですよ」

左:Do Insects Play?  出版社/Chose Commune

右:Daily Practice – Johanna Tagada(ジョアンナ タガダ) 出版社/In Other Words

なつみ「まず、手紙がついてる表紙の装丁に目がいきました。イラストがすごくかわいいのと、ページの数字のデザインが面白い! それに、日本語の記載があるんですよね」

大和田「彼女はイギリスを拠点とするフランス人の女性アーティストです。現代の茶文化を伝える<Journal du Thé>(ジャーナル デュ テ)という雑誌を手がけていて、日本文化にとても関心を持っています。

表紙の手紙は、買った人にしか開けられないものなんです。ぜひ、この機会に」

なつみが感じたTotodoの魅力

お気に入りの本の話を聞けて満足そうななつみ。

-- Totodoを訪問してみて、どんな印象を抱いた?

「古本から新刊までジャンルが広くキュレーションされているので、じっくり見ていくと結果的に自分の好きなものが分かる印象があったね。

私はアートが好きなので名前で分かるアーティストもいたけど、全然わからないモノがたくさんあって。そんなときに感性で手に取って、新たに好きなアーティストを見つける体験ができて楽しかった。

感性を磨いていくというか、パラパラと見ていくだけでも、いろいろとつまみ食いができるというか。

店内も良い意味できれいすぎない雰囲気がすごく居心地が良くて、エリアの雰囲気もあってせかせかせず、好きなモノをゆっくり、じっくりと手にとれる空間だなと思ったな」

お気に入りの本屋に出会う日を夢見て

vol. 1の『SPBS本店』(エスピービーエス)に続いて、今回はアートブックや写真集の取り扱いをしているTotodoを訪れたなつみ。本、と一口に言っても、さまざまなジャンルがある。

美術や写真、建築、ファッション、自分の好きなものってどんな共通点があるんだろう? もっと知りたい、自分でどんどん調べてみたい。

Totodoは、そんな探究心をくすぐってくれる素敵な本屋だ。まだまだいろんな本屋を巡って、自分の好きを見つけていこう。

さて、次はどこの本屋に行こうかな。

▶︎TotodoのInstagramはこちら

※撮影時のみマスクを外しています。また、アルコール消毒、三密の回避、検温等、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで取材を実施しています。

僕らの友達について

■風間夏実(カザマ ナツミ)

Instagram:@natsumi_kazama

今回訪れた場所はこちら

■Totodo:東塔堂(トウトウドウ)

Totodoに行けば、「あの本があるかな?」と思えるような近現代の定番の本を中心に、美術、写真、デザイン、建築関連の古書を幅広く展開している。一方で、新刊の本やギャラリースペースも併設しているため、ふらっと寄れる楽しさもある。

住所:東京都渋谷区鶯谷町5-7 第2ヴィラ青山1F

Instagram:@totodo_books

公式サイト:totodo.jp

※営業時間や定休日などは上記Instagramや公式サイトの参照をお願いします。

記事の創り手について

■ナカヤマ ハルカ – 取材・執筆

1日のなかで、寝る前に明日着る洋服を考える時間が一番好きです。洋服以外にも、音楽や本、なんでも、日常にもっとワクワクを感じられる瞬間をたくさん見つけていきたいと思っています。その発見したワクワクを、記事を通してお伝えしていきます。

Instagram:@hanmkyu

■ジツカワ タクミ – 編集

ジツカワタクミ

“たくさんの人には知られていないけど、強く光るものにスポットライトを当てていく意識” を大切に、街やお店、モノや人に寄り添ってお伝えしていきます。

Instagram:@jitsu_tkm

■シミズ シュン − 撮影・編集

チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らが楽しく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切にして、日々を生きています。

Instagram:@shun_booooy

SNSを更新しています!

Instagram

もし記事を気に入ってくれたら、URLやアカウントをつけてSNSにシェアしてくれると嬉しいです!

活動の励みになります。どうぞ今後のチトセにもご期待ください!

2021-01-02|
チトセSNS更新中!
関連記事