藍染師を知りたいんだ。

一般的には知られていない藍染。その藍染を彼らは選択した。

普段の生活では出会えない藍染。その藍染に彼らは出会えた。

その理由。そのバックグラウンド。すべてが知りたい。

藍染師から藍染ってどう見えてるの?

藍染師は藍染を通してなにが伝えたいの?

彼らから見える藍染を知りたい。

前回は「藍染」を覗いた。

今回は「藍染師」を覗いていきたい。

本日もよろしくお願いします。

ひ:ひかるさん そ:そうたさん

-藍染の密着に引き続きよろしくお願いします。さっそくですが、お2人の出会いは?

ひ:出身地が同じで、同じ中学校でした。初めは友達の友達という関係で、知ってはいたけど友達ではない距離感でした。そうたは、誰とでも仲の良い気さくで友達が多い印象でしたね。

-そうたさんから見た当時のひかるさんはどんな感じでした?

そ:寡黙ですね。ひかる、小さい頃はシャイだったんですよ。

-そうだったんですね。お2人が服に興味を持ちはじめたのはいつでしたか?

ひ:僕は18歳ですね。専門学校に入ってからです。

そ:はじめて買ったのは中学生の頃でした。好奇心がある方だったので自然と服にも触手が伸びましたね。

-ファッションに興味を持つようになったきっかけは?

そ:中学生のとき、テレビに出ている芸能人が着ている服を見て、「この服おしゃれだな。」とか「着てみたいな。」と思うようになりました。特に誰というわけではなく、人よりかは服を見て、「いいな。」とシンプルに感じたのを覚えています。

-ひかるさんはどうですか?

ひ:「ルモンド・エルメス」というエルメスのカタログですね。

-どのような内容なんでしょう?

ひ:エルメスの商品紹介や、職人のクラフトマンシップを取り上げています。なにより服の魅力が直に伝わってくるんですよね。そこが本当に面白いなって。ぜひ、読んでほしいです。

-それは市販で売ってるんですか?

ひ:今は古本なら買えると思います。値段も上がってると思いますね。

-ぜひ読んでみたい…。次に、ご自身の服の系統の変化を感じたことはありますか?

ひ:高校までサッカーをやっていたこともあって、動きやすい服が好きだったんですけど、18歳頃にテーラードジャケットを羽織ったんです。そのときに、服を着て初めて緊張感を感じて、その緊張感が自分にとって新鮮で、楽しかったことは今でも印象深いです。

-そこからの変化はありますか?

ひ:そこからの変化はないですね。ずっと、同じな気がします。

-そうたさんはどうですか?

そ:僕もひかると同じで、大きな変化はないですね。

-18、19歳のときって今と比べたらお金もなくて、今着ている服を当時着るのは厳しいと思うんですけど、どう系統を保っていたんですか?

ひ:バイトで稼いだお金はほぼ全て服に注ぎ込んでいましたね。

-それはすごいなあ。藍染を始める前にやっていたことはありますか?

ひ:僕は高校までサッカーに冒頭していて、一切服に興味がなかったんですよ。本当にずっとジャージみたいな。高校卒業後、専門学校に行きそこで服にのめり込んだんですよね。

そ:なにかをしていたっていうのはないんですけど、漠然となにかをやろうという空気は2人のなかでありました。

-そこからの藍染との出会い。どのように繋がっていったのでしょうか?

ひ:19歳のときに国内の服に携わる工場を巡っていて、徳島に訪れた際に出会った藍染師の方から染色方法などのお話を聞かせていただいて、感銘を受けたのがきっかけです。

-工場を回ろうとした理由はなんですか?

ひ:服を着ることを楽しんでいたら、服に関するいろいろなことに興味が湧いてきて。例えば、学校で着てたかっぽう着や体育着があるじゃないですか。あれって、1回1回着替えるじゃないですか。当時はいちいち認識してなかったんですけど、服にはそれぞれにしっかりと役割があると思って。その役割に沿って設計がされているし、その服が生まれた背景が気になって、工場をまわってお店では見れない服の顔を見たくなったんですよね。

-工場を巡っていたのはどのくらいの期間でしたか?

ひ:3ヶ月くらいですね。たぶん、20以上の工場を巡りました。

-藍染の師匠との繋がりは今もあるんですか?

その方が携帯を持っていなくて、簡単には連絡は取れないんですよ。ただ、今も藍染の液はその方から買っています。

-藍染の第一印象はどうでしたか?

ひ:藍染が色彩としてきれいなのはもちろんなのですが、自分たちで染めたものを見ていてもあるんですけど、あのブルーを見ていると、とても心が落ち着きます。僕の場合はそのような心理学的な作用が強くありました。

-藍染に出会い、そこから仕事として始めるに至った経緯を教えてください。

ひ:藍染は職人技術なので、僕らが知識を備えて短い期間やったからといってすぐ完成するほど生半可なものではないです。

商品にしていくうえで失礼にあたるような物作りは一切していないのですが、”自分たちで藍染をするならば”と考えたときに、藍染を形式的に捉えてみようと思いました。

例えば僕は、ヘルムートラング、エルメス、マルタンマルジェラ、マーガレットハウエルなどの様々な服を多く所有していたのですが、とても良い服もあれば、そう感じない服もありました。

そのとても良い服というのは、彼らでない誰かが作ったものであったとしても買っていた服だと思います。

でも、ここまで認知されていると、マルジェラだから買わないという人もいれば、買うという人もいて。様々な人の物の見方が出てきます。

ただ僕は良いと感じる服なのかだけを探っていきたい。

それで、ラング、エルメス、マルジェラ、マーガレットなど様々なブランドの良いと感じた服を全て藍染にて染色し、一緒くたにくくることによって、名前の向こう側にあるものをただ純粋に判断してもらえたらと思い、始めるにいたります。

-藍染を施すことで、ブランドが異なるどんな服もフラットな状態にして、服そのものを見てもらいたいということですね。では、ひかるさんは藍染とファッションの関係性をどう捉えていますか?

ひ:藍染は服を染めるためのものなので、目的ではないです。良い服を生みだすうえでの過程だと思います。

ですが、エルメスの服がなぜあそこまで愛され続けるのかと考えると、最高峰の素材と、たしかな伝統として受け継がれてきた職人のクラフトマンシップがあることが理由の1つだと思います。

そのクラフトマンシップがあるおかげで、さらに特別に感じることができ、愛着がわく。藍染にもそうした受け継がれていくべきクラフトマンシップの1つだと思います。

ですが、全面的に押し出してしまうと服では難しい。素晴らしい内面性を持つ藍染と、服が持つ外面性との良いバランスを常に考えつづけています。

-藍染に出会ってから数年が経ちますが、藍染は今、どう見えていますか?

形式に捉えたうえでも、藍染は感情に直結するような魅力が大きいなと実感しています。

-14の名前の由来は?

そ:京都の龍安寺にある枯山水の庭園の石は15個あるんですけど、不完全を表すためにどの角度から見ても14個しか見えない造りになっていて。そこにインスパイアされました。

-14で成し遂げたいことを教えてください。

そ:衣服を、着るモノとして多角的に表現・提案していきたいです。藍染はそのための手段の1つ。だから今回藍染を取り上げていただいたのですが、僕たちは藍染をテーマとして14をやっていこうというつもりはないんです。

ひ:その1つとして、今店舗の準備をしているので、まずはそこに集中しています。

-お店を出すんですね。いつ頃オープン予定など、具体的には決まっていますか?

そ:まだ明確には決まってないですが、2019年内を目標に動いています。

-どういったアイテムを揃えたお店になるんでしょうか?

ひ:今のところ、ユーズド・ビンテージから始めようと思っていますが、そこに規定はなくて、セレクトみたいに新規ものがあってもいいし、リメイクがあったりオリジナルがあったり、幅広く揃えてもいいかなと思っています。

-ふたたび藍染の話に戻したいのですが、これから藍染を通して伝えたいことはなんでしょうか?

ひ:藍染に関していえば、僕たちはビジネスとして成り立つほどの数は作れない。だからこそ様々な独自の見せ方をしていくことによって、藍染に対する興味のきっかけになれたらいいなと思っています。

-最後に、藍染の未来をどう見ますか?

ひ:外国の方からは、日本はジャパンブルーなど藍というイメージが知れ渡っていると思うのですが、特別なものというイメージがまだまだ強いと感じます。非常に手間と時間を要する手法であることはたしかなのですが、赤青黄色藍じゃないですけど、そんなふうにもっと浸透してほしいなと思います。私自身は藍染にそういった普遍的魅力を感じた1人なので。

今回のインタビューで印象に残った言葉。

「藍染は服の魅力を伝えるための1つの手段。」

この言葉から見えた藍染師と藍染の関係性。

藍染師は藍染に揺るぎない尊敬と信念をおいて、藍染の魅力を伝えつつも服の魅力を伝えようとしているんだ。

藍染師でありつつも、洋服の愛好家なんだ。

今、走り始めた藍染師たち。14を通して発信していく服への熱い想いを、僕らはこれからも追いつづけたいと思う。

2019-04-10|タグ:
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