銀座POLA MUSEUM ANNEXにて。『透明な歪み』『ENJOY the VIEW』

先日の横浜美術館で芸術の奥深さに触れた僕とさかもっちは、翌日も美術館へ行くことに。今日は2ヶ所へ行く予定だ

昨日学んだことを大事にして、今日はまず1ヶ所目として、銀座にあるギャラリー「POLA MUSEUM ANNEX」へ。

隣にシティーボーイがいるからか、銀座を堂々と歩けている気がするな。

よし、今日こそギャラリーデビューだ…!

けんてぃ
やっぱり緊張してきたな…。「一見さんお断り!」とかないですよね…?
さかもっち
お座敷遊びじゃあるまいし、そんなに気負わなくても大丈夫だよ(笑)。ほら、もう着いた。

束芋展外観写真(photo by Kazuto Kakurai)

けんてぃ
なにか模型のようなものがショーウインドウにありますね、これはいったいなんだ?

束芋展外観・内観写真(photo by Kazuto Kakurai)

さかもっち
これこそ今回の展示物の1つだよ。それじゃ、エレベーターでギャラリーのある3階まで行こう。

さかもっち
さぁ、POLA MUSEUM ANNEXへ到着だ。今回の展示は束芋さんの「透明な歪み」。
けんてぃ
白い壁に陽の光がきれいに射しこんで、非日常な空間ですね。

そんな会話をしていたら、「夜になるとライトアップの青色の光が入って、昼とは違う顔を見せてくれるんです。」と、入り口にいた学芸員さんが教えてくれた。

ギャラリーには学芸員さんがいるので、作品の説明や質問にも答えてくれる。作品に関して気になることや、分からないことがあれば気軽に質問をしてみるのも手。

ここぞとばかりに僕は質問した。

けんてぃ
僕、実はギャラリーに来るのが初めてで…。学芸員さんから見て、おすすめのまわり方はありますか?

すると、こう答えてくれた。

「まわり方は人それぞれだと思いますが、おすすめのまわり方があります。

それは、この壁に書かれている展示への概要や経緯、作品への思いなどをあえて読まずに進んでみることです。

もちろん作者の想いを読んでからまわるのも良いのですが、あえて何も情報がない状態で感性のみを頼りに作品を感じとり、最後にまたここに来て、

『なるほど作者はこんな想いで作品を作ったんだ。僕は作品に対してこう思ったな。』と、自分が感じたことと比較するのも楽しいと思います。」。

けんてぃ
そういう楽しみ方もあるんですね! ありがとうございます!

「ギャラリーへ行くためには美術に詳しくないといけない」なんて不安があったけど、自分の感性で見ていいと知って、正直少しホッとした。

歩みを進めた先には、温かみと少しの違和感を感じる展示が。

束芋展外観・内観写真(photo by Kazuto Kakurai)

束芋 椅子 2019 キャンバスに油彩(photo by Kazuto Kakurai)

けんてぃ
きれいな部屋ですね。絵と家具があって、誰かが住んでいるような雰囲気。でもこの椅子の絵が気になる。なんだか普通じゃない感じがしますね。
さかもっち
実はその椅子の絵、こっちにある椅子をもとにイメージしたものを絵に表したんだ。

けんてぃ
本当だ、同じものがある…!

束芋 椅子 2019 キャンバスに油彩(photo by Kazuto Kakurai)

さかもっち
どうやらこの作品だけでなく、他の作品もこんな風にしているみたい。ほら、このカーペットにも絵があるよ。
けんてぃ
カーペットしかないじゃないですか、絵なんてどこにも…あ!

束芋 深いところ 2019 キャンバスに油彩(photo by Kazuto Kakurai)

けんてぃ
女の人がカーペットにくるまって寝ている? 絵の側面にも色がついているから、まるで本当にここにいる気がします…。
さかもっち
いいね! 絵をとおして色々と想像できるよね。こっちの絵なんかどう?

束芋 右手 2019 キャンバスに油彩(photo by Kazuto Kakurai)

けんてぃ
こっちの絵は腕に吸い付いているのかな。でもセットの家具はもちろん、人物もいませんね。
さかもっち
作品の中には必ずセットがあるわけじゃないみたいだね。
けんてぃ
だからこそ様々な想像ができますね。

もしかしたら、束芋さんの思惑に沿った作品の見方とは違うのかもしれない。それでも自分の考えを口に出し、「こういうことなのかな?」と作品に対して感じたことを誰かに話すのは楽しい。

さかもっち
さぁ、次の部屋は雰囲気が変わるよ。

 


 

束芋展外観・内観写真(photo by Kazuto Kakurai)

けんてぃ
全体的に暗い雰囲気ですね。あ、絵があります。 

さかもっち
その絵を見た後、こっちの映像を見てみよう。

束芋 ふたり(Two) 2016 映像インスタレーション

けんてぃ
あ、映像が始まりましたね。あれ? これって、さっき見た絵に描かれていたものと似ていますね。

さかもっち
そう、入って来たとき最初に見た絵は、この映像をもとに新しく書いたものなんだ。もう一度絵を見てみようか。

けんてぃ
なるほど…。映像を見た後にこの絵を見てみると、映像のストーリーが脳裏によぎって、最初に見たときと違う絵のように思えます。

さかもっち
僕もそう感じた。それぞれに良さがあるよね。さて、いよいよ最後の場所に入ろうか。最後はまた別の映像があるところへ行こう。

 


 

束芋 ループドロップ 2019 映像インスタレーション(photo by Kazuto Kakurai)

束芋 ループドロップ 2019 映像インスタレーション(photo by Kazuto Kakurai)

さかもっち
そうそう、けんてぃ。最初にもらった紙、なにか気づかない? 紙の形とか。

けんてぃ
この紙ですか? 概要とか作品への想いが書いてあるから見ないようにしてましたが…。ん? よく見ると、紙の形が長方形じゃない! 少しゆがんでいます。

さかもっち
そう、それを横にして。

けんてぃ
横にするとあっ! 紙の形が最後のスクリーンの形と一緒だ!

さかもっち
そうなんだよ。ここまでこだわって作っているのはすごいよね。そういったことにも気づくと、より鑑賞が楽しくなるんじゃないかな。

 


 

さかもっち
さて、改めて束芋さんの作品への思いを読んでみようか。

けんてぃ
そうですね、壁にはなんて書いてあるんだろう…。

ここ数年、多く取り組んできた小説の挿絵や作品の写し。
原作からインスピレーションを受けて描く挿絵や、オリジナル作品を自分の解釈で再制作するような
写しという行為によって生まれた私の作品には常に「歪み」がある。
それは、原作者と私の違いや、原作に対する誤解、私の独断的な解釈から生まれるもの。
「歪み」というのは歪んでいない正しい形と見比べなければわからない。
私の作品は原作とともにあることで、私特有の歪みを見出してもらえるはずで、
だから今まで、共にあることを最もいい状態だと考えてきた。
いわば歪みは、原作と私の作品をつなげている道と言える。
今まで大切にしてきた原作との関係を絶ってみる。
歪みをできるだけ透明にし、道を遡れなくする。
そうしたら、私の作品は一本足で立っていることができるのだろうか。
今回、展示する各作品には、元々、私とは無関係な原作が存在する。
原作それぞれは、人々に愛されて歴史とともに残ってきたものや、
多くの人の目に触れられてきた偉大な小説などで、原作そのものが確固たる存在感を持つ。
原作から自身の作品への展開を隠し、歪みを見えなくする。
しかし、その歪みはそこに存在しなくなるのではなく、透明な歪みとして、確実にそこに在る。
その透明な歪みも含めて作品化することが唯一、原作から切り離せる方法であり、
その透明な歪みが他の何かと繋がる道を作って初めて、新たな作品として、
そこに立っていられるものとなるだろう。

けんてぃ
束芋さんはこういう考えで、展示「透明な歪み」を開催したんですね。

さかもっち
これを読んだらもう一度まわりたくなったね、もう一回、まわってみようか。

そのあと、2人は束芋さんの考え方や学芸員さんの考えを聞いたうえで、もう一度ギャラリー内をまわるのだった。

 


 

けんてぃ
いやー、楽しかったですね〜! こんなに感情が揺れ動かされる場所だったのに、足を運んでこなかったのはもったいなかったなぁ。

さかもっち
そうでしょ? そして最初に見たこのミニチュアが、展示に関わっていたんだね。

けんてぃ
この時点でギャラリーの展示は始まっていたんですね。
さかもっち
束芋さんの作品に対する考え方、捉え方がわかる良いギャラリーだったね。初のギャラリーだったけど、けんてぃはどうだった?

けんてぃ
“作品の捉え方には正解があって、そう感じなければいけない”なんて難しく思っていたから、正直足を運べていなかったんですけど、全然そんなことはなかったですね。”もっと自由に感じて、他人の考え、作者の考えも知る”、これが芸術を楽しむってことなのかな、そんな風に今回の展示を通して考えることができました!

さかもっち
誘ってよかったよ。そういえば次の展示の紙あったね。もらっていこうか。

Wasser Taxi 2019 Acrylic on Canvas

けんてぃ
さかもっち、次のこの展示も行きましょうよ!

さかもっち
すっかり芸術の虜になったようだね、じゃあ次は、平日の仕事終わりに来てみようか!
けんてぃ
仕事終わりにも来れるなんて最高ですね…! よし、次の展示に向けて、仕事も頑張るぞー!

人の数だけ考え方があるように、作品への想い、考え方も人それぞれ。

ギャラリーへ行き様々なものに触れて、自分の考えをもっともっと広げてみよう。

けんてぃ
ってあれ??さかもっちがいない!…「次のところへ行ってて〜」とLINE来てる…。仕方ない1人で次のところへ行くか…。

展示紹介

■束芋「透明な歪み」

期間:2019426()62() ※会期中無休

場所:POLA MUSEUM ANNEX

住所:東京都中央区銀座1-7-7 POLA銀座ビル3階

時間:11:0020:00 (入場は19:30まで)

HP:POLA MUSEUM ANNEX

Instagram:POLA MUSEUM ANNEX

■Ryu Itadani「ENJOY the VIEW」

期間:2019年6月7日()6月30日() ※会期中無休

場所:POLA MUSEUM ANNEX

住所:東京都中央区銀座1-7-7 POLA銀座ビル3階

時間:11:0020:00 (入場は19:30まで) ※6月19日(水)のみ18:00まで(入場は17:30まで)

HP:POLA MUSEUM ANNEX

Instagram:POLA MUSEUM ANNEX

2019-06-17|タグ: ,
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