友達から「『〇〇の秋』と聞かれたら、何を入れる?」と唐突に質問された。「俺だったら『シティーラン』の秋かな。」
そう話す彼は、マラソンの大会に出ちゃうようなガチな人。
ランニング=辛いことなんてイメージを持っている僕に、「もっと気軽に始めてみてもいいんじゃない? そしたら今度の休日、俺と街を走ろうよ!」と声をかけてきた。
夏が終わって涼しくなってきたこの季節。新しいことを始めてみるのもいいかもしれない。
よし、シティーランを始めてみよう!
15:00 at 隅田川テラス入り口
(1)隅田川テラス入り口
都内でもランニングをしやすいことで有名な「隅田川テラス」に来た。
ここを一周すればだいたい3kmちょっとと、運動不足な人でも気軽に走れる距離だと友達はいう。
15:30 シティーラン、スタート
10月の心地よい風が吹く中、勢いよくスタートした。
すれ違う人たちとも会釈したりなんかして、優しい空気が流れている。
(2)隅田川テラスギャラリー
隅田川テラスを走ってみると、おじさんの弾くバイオリンの音色が聞こえてきたり、川沿いのフェンスに描かれている相撲の決まり手イラストに視線を奪われたりと、興味を惹かれるものがたくさん。
淡々と走り続けるのはつまらないから、走っていて発見がある道の方が面白いよね。
どことなく懐かしさを感じるこの道。半分走ったけれども不思議と疲れはなく、むしろもっと走りたいかも。
(3)吾妻橋手前
隅田川テラスを走っていくと、吾妻橋が見えてきた。(せっかくだし、街の方を走ってみるか…!)
走る前はあんなに消極的だったけれども、脚を止めたくないと思える。体も心も軽やかだ。
(4)隅田川緑道公園沿い
木々に囲まれた道もあったり。道はフラットで、人の出入りも少なく走りやすい。
17:00 スカイツリーを横目に
隅田川テラスのランニングコースを飛び出し、スカイツリーの見えるあたりに。
この辺りは、観光客がとっても多い。外国人のランナーもいたりして、旅行ついでに日本を感じられる場所で走りたいのかななんて思ったり。
(スカイツリーがこんなに近くに見える。こうやって見ると大きいんだな。)
そういえば友達はこんなことも言っていた。
「シティーランは、コースを決めて走ってもよし。決めずにフラフラ走って寄り道をしてもよし。
走ることに苦痛を感じるのはシティーランじゃない。景観を変えたいと思えば、そこへ走り出せば良いんだよ。」と。
陽もかたむきだし紫がかった空。その光に照らされて、一際目立っているスカイツリーを横目に走る。
走っていくと道はひらけていき、街灯や人で賑わっている街へとたどり着いた。
あそこに雷門があるってことは、浅草に到着だ。よし、雷門をゴールにしようか。
17:30 下町っ子の気分でゴール
最終的には5km以上走っていたと思う。良い汗かけたなあ。久しぶりに、身体中に心地よい疲れを感じた。
正直走ることはめんどくさいと思っていたけど、この景観だからか、想像よりもスムーズに走れたな。
川を走る屋形船、遠くに見えるスカイツリー。ゆったりとした隅田川の流れに癒されたランニングコース。
黙々と走ることもいいとは思うけど、今回みたいに、街を楽しむことを目的にしたランニングでもいいのかも。
余韻に浸りつつも帰ろうとしたとき、浅草名物『人力車』を引くお兄さんに声をかけられた。
「お兄さんすごい汗だね。走ってたん? この先に”蛇骨湯”っていう浅草名物の銭湯があるから、せっかくだし行ってきたら?」と、丁寧に教えてくれた。
なるほど、浅草で銭湯ってオツだな。寄ってみよう。雷門から少し歩くと、細い道の奥っちょの、ひっそりとした場所に彼の地はあった。
18:00 蛇骨湯でシティーランを振り返る
湯船に浸かった僕は「シティーランの後はやっぱり風呂だなぁ。」なんて、玄人のようなことを言ってみたり。
友達が、「シティーランは走るだけのものじゃないぞ。」と言っていた理由がやっと分かった気がした。
今まで走ることに苦痛を感じていたけど、シティーランは違った。景観を楽しんだり、それぞれの街が持つ雰囲気を感じながら走る。
すると、普段見ている景色とは違った面に気づくことができる。どこで走ろうが、誰と走ろうが、自由。
服だってわざわざ新しく買う必要はない。動きやすい服ならば、今すぐにでも始められる。それがシティーラン。
みんなも「シティーランの秋」、始めてみない?
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蛇骨湯
浅草寺から歩いて5分、国際通りから路地を入った「蛇骨湯」は江戸時代から続いている銭湯。
昔、蛇の骨が掘り出されたことが名前の由来らしい。黒褐色澄明の、通称「黒湯」と呼ばれる温泉が有名。
肌へのあたりがやわらかで、温泉が苦手な人でも入りやすいよ。
アドレス:東京都台東区浅草1-11-11
営業時間:13:00~24:00
定休日:火曜