家に絵があるっていいもんだ!

僕の家に、12枚の絵がやってきた。

アート展に訪れるのが趣味だったこともあり、「将来は自分の家に絵を飾りたいなあ」なんて漠然と考えていたけど、思ったより早く実現できた。

「どこに何を置こうか…。」

絵を手にしたときの喜びもさることながら、こうして考えている時間は、自分が購入したんだという実感と、生活の一部になることへの胸の高鳴りでついつい頰が緩んでしまう。

「ファーのコートやスカーフなど洋服の生地を実際に箱に入れています」。

飯田さんがそう説明していた真ん中の大きな額縁の絵はどこに合うだろうか。

右の版画はキッチンのタイルと背景の色が似てるから、キッチン脇に飾ればマッチしそうだ。

服のコーディネートを考えるみたいで、部屋のお気に入りの場所と絵のマッチングを想像するのがとても楽しい。

オザキさんのイラストはあえて額に入れず、そのまま寝室とリビングの間に吊るしてみた。

こうして見てみると”絵”と言っても堅苦しくなく、すっと僕の生活に馴染んでくる。

オザキさんのイラストはやっぱりどこかポップでユニークな要素があるから、この絵の前で起きぬけに伸びをしたら元気が出るんじゃないか? なんて考えたり。

町田さんの作品は男心をくすぐられるチャーミングさがあるよなあ。

音楽、漫画、映画のワンシーンを切り取ったようなイラストで、見れば見るほど愉快なストーリーがかいま見えるような気がする。

町田さん自体もピュアでユーモアがある方だから、人柄が作風にも出てるのかもしれないな。

僕もレコードを収集するほどに音楽が好きだから、町田さんの作品には共感できる部分がたくさんあってワクワクする。

絵って、作家さん1人ひとりにそれぞれの想いやストーリーがあってはじめて唯一無二のものになるんだ。3人と話してよりそれを実感した。

こうしてそれぞれの作品を家に迎えいれると、より際立った個性を感じることができる。

「絵を買う」という選択

今回のように作家の方にお話を聞くのは初めての経験だったけど、実際に話しかけてみれば、気さくに作品のことを教えてくれた。

そして、そんな彼らの想いとストーリーの詰まった作品の話を聞くと、その作品にすっかり魅了されてしまった自分がいた。

目に見える、アウトプットされてその場にあるもの。

そのモノの価値を自分なりに感じる体験も大切だけど、実際の制作背景やどんな想いで1枚1枚を作ったのか。

それを知ることができるギャラリーでの体験。それはそれは貴重だったと、振り返って思う。

お金の使い方は人それぞれだ。日用品や家具にお金をかけたり。それはモノに限った話ではなく、旅行などの経験にお金を使う人もいる。

だけど今回、僕は絵を買った。今まではほど遠く感じてきた自分がいた。

そんな自分が勇気を持ってギャラリーへと訪れた。値段を見てみると、少し背伸びをすれば意外と手が届く価格だったりする。

選択肢のひとつとして“絵”にお金をかけるということがあってもいい。

そんな風に、僕は今回の経験を通して感じたんだ。

生活はつづく。

12枚の絵に囲まれて、僕は日々この部屋で生活していく。これから僕はこの家に帰ってくるのが楽しみになるだろう。

当たり前の毎日が、少しだけ、いやもっと変わるかもしれない。

疲れて帰ってきた僕を、誰かが「おかえり」と迎えるのではなく、自分だけの絵が、ただ無言で待っていてくれる。

そんな暮らしも良い。

きっと、どんな絵にも作り手の想いがあるはずだ。

ギャラリーに行ったときには、”絵を買う”。そんな選択肢も持って、ぜひ訪れてみてほしい。

家に絵があるって、いいもんだよ。

 

モデル _ 松岡歩 ( @ayumumatsuoka

取材・文 _ 篠原ふうこ、御厨智也、吉川明里 / 撮影 _ 清水駿 / 編集 _ 清水駿

2020-01-19|
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